矯正歯科医の役割とは
歯ならびを治すためには、矯正歯科医院に行かなければならないのでしょうか…?
それはとても難しい質問です。
簡単な治療なら、専門医でなくても治療できますし、矯正歯科治療について熱心に研修している歯医者さんはたくさんいます。
しかし、それを見分けるのは、一見簡単そうに思えますが本当は難しい場合が多く、容易なことではありません。
矯正歯科治療はただ、歯を移動させて歯ならびを治すのではなく、あごの骨や顔とのバランスがとれた、「健康で美しい歯ならび」を作ることであり、更なる専門的知識と経験を必要とします。
矯正歯科医院という専門医が存在する理由です。

矯正歯科治療のメリット
歯ならびの美しさは、社会でよい人間関係を築き、活動する上で大切な要素となります。きれいな歯ならびに支えられた明るい笑顔はコミュニケーションの基本であり、その重要性は国際化の進む21世紀において、ますます高まってくるものと思います。
歯ならびが良くなれば、下記の多くのメリットが得られます。
- 機能的な効率のよい咀嚼
- 食物をよく噛んで食べられるようになる。
- 顔貌(口元)の改善
- 美しく自然な口元になる。
- 虫歯の予防
- 歯がみがきやすくなり、虫歯になりにくい。
- 歯周病の予防
- 咬み合わせが原因で起こる歯周病になりにくい。
- 顎関節症の予防
- 咬み合わせのバランスが良くなるので顎関節への負担が減る。
- 心理的な好影響
- 歯ならびを気にする悩みが解消、すてきな笑顔で明るく積極的になる。

矯正歯科医と歯科医の連携
矯正歯科医は、歯科医の資格に加えて、更に数年間の専門教育と経験を積んでいます。
私たちは、みなさんのホームドクターである歯科医の先生と連携しつつ、お互いの専門分野を尊重し、患者さんにとって最高レベルの治療をしたいと考えています。

矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用について
- 矯正歯科装置を付けた後しばらくは違和感、不快感、痛みなどが生じることがありますが、 一般的には数日間~1、2週間で慣れてきます。
- 歯の動き方には個人差があり、予想された治療期間が延長する可能性があります。
- 矯正歯科装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院など、矯正歯科治療には患者さんの協力が必要であり、それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は矯正歯科装置が歯の表面に付いているため食物が溜りやすく、また歯が磨きにくくなるため、むし歯や歯周病が生じるリスクが高まります。したがってハミガキを適切に行い、お口の中を常に清潔に保ち、さらに、かかりつけ歯科医に定期的に受診することが大切です。また、歯が動くと隠れていたむし歯があることが判明することもあります。
- 歯を動かすことにより歯根が吸収して短くなることや歯肉がやせて下がることがあります。
- ごくまれに歯が骨と癒着していて歯が動かないことがあります。
- ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受けて壊死することがあります。
- 矯正歯科装置などにより金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 治療中に顎関節の痛み、音が鳴る、口が開けにくいなどの症状が生じることがあります。
- 治療の経過によっては当初予定していた治療計画を変更する可能性があります。
- 歯の形の修正や咬み合わせの微調整を行う可能性があります。
- 矯正歯科装置を誤飲する可能性があります。
- 矯正歯科装置を外す際にエナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 動的治療が終了し装置が外れた後に現在の咬み合わせに合った状態のかぶせ物(補綴物)やむし歯の治療(修復物)などをやりなおす必要性が生じる可能性があります。
- 動的治療が終了し装置が外れた後に保定装置を指示通り使用しないと、歯並びや、咬み合せの「後戻り」が生じる可能性があります。
- あごの成長発育により咬み合せや歯並びが変化する可能性があります。
- 治療後に親知らずの影響で歯並びや咬み合せに変化が生じる可能性があります。また、加齢や歯周病などにより歯並びや咬み合せが変化することがあります。
- 矯正歯科治療は一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。